フリーランス・個人事業主の国民健康保険料

会社員の健康保険料は給料をもとに決まりますが、フリーランスや個人事業主が入る国民健康保険(国保)の保険料は、前年の所得をもとに市区町村が計算します。 このページでは、所得割の基準になる金額の求め方と、経費・青色申告特別控除・iDeCo などが保険料に効くかどうかを、市区町村や国税庁の公式情報をもとに整理します。

所得割の基準は「総所得金額等-基礎控除」

国保料は、前年の所得に応じた所得割と、加入者1人ごとの均等割などを合計して決まります。 所得割の基準(算定基礎額)は、前年の総所得金額等から基礎控除43万円を引いた額です(前年の合計所得金額が2,400万円以下の場合)。 個人事業の所得は、次の順で計算します。

手順計算
1. 事業所得売上(事業収入)-必要経費-青色申告特別控除
2. 総所得金額等事業所得+給与所得・雑所得など他の所得
3. 所得割の基準総所得金額等-基礎控除43万円
4. 所得割所得割の基準×市区町村の料率(医療分・後期高齢者支援金分・介護分・子ども・子育て支援金分)

広島市は、青色申告特別控除が適用されている場合は控除後の金額が所得割の対象になると案内しています。 一方、目黒区は、扶養控除・社会保険料控除・医療費控除などの「各種所得控除」は所得割の計算では適用されず、基礎控除だけが適用されると案内しています。

保険料を下げるもの・下げないもの

項目国保の所得割理由
必要経費下がる事業所得を計算する段階で売上から引くため
青色申告特別控除(65万・55万・10万円)下がる不動産所得・事業所得から引く控除で、控除後の所得が基準になるため
社会保険料控除(国保料・国民年金保険料など)下がらない所得控除のため
iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金下がらない小規模企業共済等掛金控除(所得控除)のため
小規模企業共済の掛金下がらない同じく小規模企業共済等掛金控除(所得控除)のため
生命保険料控除・医療費控除・扶養控除など下がらない所得控除のため

国税庁によると、青色申告特別控除は、正規の簿記で記帳し期限内に申告するなどの要件を満たすと55万円、さらに電子帳簿保存か e-Tax での申告をすると65万円、それ以外の青色申告者は10万円です。 iDeCo と小規模企業共済の掛金は所得税・住民税は下げますが、所得控除なので国保の所得割の基準は変わりません。

試算例:経費と青色申告でどれくらい変わるか

世田谷区に住む45歳・1人世帯で、前年の売上が600万円、必要経費が200万円、ほかに所得がない場合の令和8年度の保険料(年額)です。 当サイトの計算機と同じ計算で求めています。世田谷区の所得割の料率は4区分の合計で13.01%です(介護分を含む)。

申告のしかた事業所得所得割の基準年間保険料
白色申告400万円357万円549,330円
青色申告(10万円控除)390万円347万円536,320円
青色申告(65万円控除)335万円292万円464,765円
青色申告(65万円控除)+iDeCo 年27.6万円335万円292万円464,765円

青色申告の65万円控除は白色申告より年84,565円安い計算です。iDeCo の掛金は保険料に影響しません(所得税・住民税は下がります)。

経費は、事業に必要な支出であることが前提です。保険料を下げるために事業と関係のない支出を経費にすることはできません。

注意したいこと

所得が下がったときに使える軽減や減免は、国民健康保険料が下がる仕組みにまとめています。

計算機で試算する

トップページの計算機で、市区町村を選び、「その他の所得」の欄に事業所得(売上-必要経費-青色申告特別控除)を万円で入力してください。 給与や年金もある場合は、それぞれの欄に収入(額面)を入れます。市区町村から探すから、各市区町村の料率表も確認できます。

国保料を試算する

出典

試算例の料率の出典は世田谷区のページに載せています。保険料は目安で、実際の額は市区町村が決定します。